石油化学・合成樹脂メーカー/三井・ダウ ポリケミカル株式会社ホームページ - 製品紹介

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ハイミラン®エチレン系ポリマー製品群

成形技術

4-1)樹脂の取扱い

 アイオノマー樹脂のブロー成形条件は、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)と類似していますが、アイオノマー樹脂の成形条件設定にあたっては、アイオノマー樹脂特有の幾つかの注意すべき点があります。
 下記にアイオノマー樹脂の一般的な取扱い、成形装置、成形条件及び、注意点につき記述します。

(1)乾燥
 アイオノマー樹脂は湿度に鋭感で、ナイロン/アクリル/セルロース等の樹脂と同様に、少量の水分を空気中から吸収して外観を損なうことがあります。例えば、樹脂中の過剰な水分は押出物に気泡、又は、ブローボトル中に白っぽい外観を生じる原因となります。

図1 水分含有量と最高加工温度の目安

したがって、アイオノマー樹脂は、乾燥され、すぐに使用出来るように防湿袋に詰められていますが、吸湿トラブルを防止するため、以下の点に注意してください。


開封された袋の未使用樹脂は防湿袋にて密閉した上で保管してください。
開封されたままに置かれたか、傷付いた袋に詰められていた樹脂は成形前に乾燥してください。
吸湿した樹脂及び成形後すぐにリサイクルされない粉砕品は、乾燥後に使用してください。
乾燥条件は、65℃で8〜12時間除湿乾燥機で効果的に乾燥出来ますが、銘柄によってはブロッキングを避けるため、より低温かつ長時間の乾燥が必要な場合もあります。
除湿乾燥機でない通常のオーブンは乾燥が不充分となる可能性があります。
成形のためにホッパードライヤーは特に必要ありません。
図2 水分含有量と除湿乾燥時間の関係

(2)樹脂の供給

アイオノマー樹脂はホッパーローダーを含む通常の方法でホッパーに投入出来ますが、一般の透明樹脂同様、コンタミによって透明性を失う可能性がありますので、異物混入が無いことを確認してください。
アイオノマー樹脂の成型品は劣化なしに粉砕し成形を数回繰り返すことが可能です。但し、粉砕工程でコンタミが起こる可能性がありますので、粉砕機の清掃には特に注意が必要です。
アイオノマー樹脂は常温では強靭な物性を示すため、均質な粉砕品を得るために、粉砕機のナイフは十分鋭くしてください。
粉砕時に熱が発生します。粉砕機での噛み込みを防ぐために、粉砕品の過充填は避けてください。

(3)パージ

 アイオノマー樹脂使用時、最良の結果を得るためには、成形機の完全なパージ(樹脂替え)が必要です。トラブルを防止するため、以下の点に注意してください。パージ条件は、押出機、使用している樹脂種類及び樹脂温度等に依存します。

パージには、使用したアイオノマーよりも低いMFRのポリエチレン(LDPE又HDPE、好ましくは、MFR0.3g/10minのHDPE)が使用出来ます。ポリエチレンでパージして、その後再びアイオノマー樹脂へ置換出来ます。
但し、着色したアイオノマー樹脂の色替えやアイオノマー樹脂を長時間滞留した場合には、パージが難しくなります。
もし押出機を長時間止めたり、装置を分解する時には、パージによってポリエチレンでアイオノマー樹脂を置換しておいてください。